高尿酸血症(痛風)とは
高尿酸血症とは、血中の尿酸値が非常に高い状態のことです。そして、足の親指などの関節に尿酸の結晶が付着し強烈な痛みが生じることを痛風発作と呼びます。場合によっては痛みで数日間歩けない方もいらっしゃいます。
高尿酸血症や痛風は不規則な生活習慣によって引き起こされることから、生活習慣病の一種として考えられています。
高尿酸血症(痛風)の原因や症状
以下で原因・症状、病状の進み方を説明します。
痛風の発作の原因
高尿酸血症は、暴飲暴食、ビールなどに含まれるプリン体の過剰摂取、運動不足などによって引き起こされます。痛風もまた同じ原因で発症します。
また、甲殻類、魚卵などの摂取で尿酸値が上昇すると言われていますので注意が必要です。
高尿酸血症(痛風)の症状
高尿酸血症自体に症状はありませんが、痛風発作が起こると、肩・手・肘・腰・膝・足などの全身の関節に強烈な痛みや腫れが生じます。
最初のうちは一時的な痛みですが、何度も発作が起こると痛みの持続時間が長くなると言われています。
初期には自覚症状が少ない高尿酸血症
高尿酸血症は次のような病期で進行します。
無症候性高尿酸血症期
尿酸値は高いですが痛風発作はまだ起こっていない状態です。
自覚症状が乏しいため、ほとんどの方は軽視してしましがちです。しかし、この時期に生活習慣を見直すことで尿酸値が正常値に戻れば、将来的な痛風発作を防止することに繋がります。
痛風発作期
結晶化した尿酸が足の親指などの関節に付着し、強烈な痛みや腫れが生じます。
最初のうちは2週間程度で痛みが消えますが、何度も発作が起こると痛みが慢性化していきます。
慢性結節性痛風期
病状が悪化し痛みや腫れが長期化します。関節が変形することもあります。
また、脳卒中、狭心症、心筋梗塞などの発症に繋がる恐れもあります。
高尿酸血症が引き起こす病気
痛風
合併症の中で非常に発生率が高いものです。関節に痛みや腫れが生じ、症状が長引くと関節が変形する恐れもあります。
尿路結石症
背中や脇腹に強烈な痛みが生じます。痛みでのたうち回る、起き上がれないといった方もいらっしゃいます。
慢性腎臓病
腎機能が低下します。自覚症状がほとんどないまま進行し、次第に貧血、むくみ、夜尿症、息切れ、倦怠感などの症状が出てきます。
腎不全
腎機能が通常の3割以下まで低下し、治療を受けないと人工透析が欠かせなくなります。
その他
動脈硬化の進行によって脳卒中、狭心症、心筋梗塞の発症に繋がる恐れがあります。
高尿酸血症(痛風)の検査
血液検査で尿酸値が7.0mg/dlを超えていると高尿酸血症の診断となります。
また、尿検査で高尿酸血症の状態や腎機能を確認する場合もあります。
高尿酸血症(痛風)の治療法
痛風発作の防止、尿酸値の低下を目指します。
痛風発作の場合
痛みや炎症を抑えるために対症療法を実施します。痛風発作が起こっている間は尿酸値を正確に測定できないため、症状が落ち着いてから尿酸値を測定し、高尿酸血症の治療に移ります。
高尿酸血症の場合
尿酸値を下げて痛風発作が起こらないようにします。なお、尿酸値を一気に下げてしまうと痛風発作が起こりやすくなるため、慎重に下げていくことが重要です。
また、高血圧や糖尿病を併発している方には、それぞれに必要な治療も行っていきます。
食事療法
プリン体を豊富に含む食品やお酒を摂取しないようにします。また、ダイエットのために野菜の摂取量を増やし、カロリーが高い食品は摂取しないようにします。
運動療法
バーベル上げや短距離走などの無酸素運動、負荷が大きいトレーニングは痛風発作の原因となりますので注意が必要です。
そのため、ウォーキングなど軽めの有酸素運動を継続的に行うことをお勧めします。
薬物療法
上記では効果が不十分な場合は、尿酸排泄促進薬や尿酸生成抑制薬などを使った薬物療法を検討します。