女性の子宮頸がんや尖圭コンジローマなど、HPV疾患を予防するためのワクチンです。2価、4価、9価の3つのタイプがあり、2価はHPVの16、18型、4価はHPVの6、11、16、18型、9価はHPVの6、11、16、18、31、33、45、52、58型による感染を予防する抗体を生成します。ただし、子宮頸がんに関するHPVの検出にはこれら以外の型もあり、すべての高リスク型のHPV感染を予防できないため、子宮頸がん検診も受けることが必要です。ワクチン接種と検診を組み合わせて、より効果的に予防を考えましょう。
予防できる感染症
HPV感染症(子宮頸がん)
一般女性の生涯感染率は70%を超え、子宮頸がんなどの原因となります。出産の際に赤ちゃんが産道から感染する危険性もあります。
ワクチンの種類
不活化ワクチン
接種スケジュール
通常は中学生になってから、厳密には12歳から16歳の間に合計3回接種します。定期接種はこの年齢の女性のみです。
9価(シルガード9)
9歳から15歳未満で初回接種をうけた方は、6カ月以上あけ、かつ13カ月までに2回目の接種ができれば、2回接種で完了となります。
15歳未満で2回接種を完了できない場合や、初回接種が15歳以上の場合は、3回接種のスケジュールとなります。その場合は初回接種から1年以内に3回の接種を完了させることが望ましいとされています。初回から2か月後に2回目、初回から6カ月後に3回目が理想的です。
なお、以前サーバリックス(2価)やガーダシル(4価)を接種した方でも、シルガード9に切り替えることが認められています(交互接種)。当院ではシルガード9のみ扱っておりますので、下記のように対応させて頂きます。
〇種類にかかわらずこれまでに1回接種している→2回目は初回接種から2か月あけてシルガード9を接種、3回目は2回目接種から6か月あけてシルガード9を接種します。
〇種類にかかわらずこれまでに2回接種している→3回目は、2回目接種から6か月あけてシルガード9を接種します。
〇種類にかかわらず、すでに3回接種しているかたは、追加接種は必要ありません。
その他接種スケジュール等に関しては、医師や保健師、看護師にご相談ください。
4価(ガーダシル)
9歳から接種可能です。男性も接種でき、遅くとも26歳頃までの接種が推奨されていますが、任意接種なので全額自己負担になります。1回目と2回目の間は2ヶ月、3回目は初回接種から6ヶ月あけましょう。接種希望の方は、入荷予定などご案内いたしますので、まずはお問い合わせください。
注意点
- 積極的勧奨をしていなかった時期、平成9~17年度(1997~2005年度)生まれの女性は、令和6年度(2024年度)まで定期接種の対象です。
- 接種部位の痛みや発赤、腫れがみられます。また迷走神経反射(失神、転倒)が起きることもあるので、横になって接種することも可能です。心配な方はご相談ください。